「ニューヨーク・ファッション・ウィーク」(以下、NYFW) 2025年春夏シーズンが2024年9月6日〜11日(現地時間)まで開催された。フィジカルとオンライン形式で合計60ブランドがコレクションを発表した。
Area(エリア) のショーによってスタートしたNYFWは、様々な国からの参加が見られた。
ALAIA(アライア)
グッゲンハイム美術館を会場に華麗なコレクションを発表したのは、Pieter Mulier(ピーター・ミュリエ) 率いる「ALAIA(アライア)」。故 AZZEDINE ALAÏA(アズディン・アライア) が40年前にブランド初の店舗をオープンし、現デザイナーもカルバンクラインで働いていた頃に3年間住んでいたという、ブランドとの関わりが深いニューヨークでの開催となった。
ジャージー素材にドレープを盛り込んだボリュームのあるスカートや、体のラインにフィットした綺麗なカッティングドレス、ALAIAらしいボディコンシャスなスタイルにメッシュを重ねたトップスなど、とてもエレガントなアイテムを身に纏ったモデルが、美術館の美しい曲線のスロープを上から順に静かに降りてくる演出は圧巻だった。
一方で、ケミカルウォッシュのデニムやネックレスのようなイヤーカフなど、リアルクローズとしても取り入れやすいアイテムも取り入れられ、クリエイションとリアルクローズが絶妙なバランスを見せたコレクションとなった。
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH(オフホワイト c/o ヴァージル アブロー)
初のNYFWに参加した「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH(オフホワイト c/o ヴァージル アブロー)」(以下、OFF-WHITE) は今季、「DUTY FREE」をテーマに、クリエイティブ・ディレクターのIb Kamara(イブラヒム・カマラ) と、創業者の故 Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー) の出身地であるアフリカと開催地アメリカのカルチャーを融合させたデザインを展開した。
デニムやスポーティなウェア、星条旗のモチーフなどアメリカらしいアイテムに、アフリカを彷彿とさせる繊細な手作業で施された刺繍やビーズ、ガーナ人アーティストのNana Dansoによるグラフィック、ペイントや刺繍をあしらったアイテムが見られた。また、OFF-WHITEらしいトラックスーツやボディスーツなどのアイテムは、体のラインを美しく見せるスリムなシルエットで展開された。
Coach(コーチ)
Coach(コーチ) はニューヨークのランドマークの一つである空中庭園「ハイラインパーク」にてランウェイショーを開催。クリエイティブ・ディレクターのStuart Vevers(スチュアート・ヴィヴァース) は、アメリカン・クラシックを再解釈し、現代のリアルクローズとして多くのアイテムを展開した。「I LOVE NY」Tシャツ、ネイビーのブレザー、チノパン、ピンストライプのスーツといった、アメリカンスタイルの王道アイテムが多数登場。
多くのアイテムは、ほつれや穴、使い古したヴィンテージ加工が施され、ポストコンシューマーガーメントを再利用したデニムパンツ、モトスカート、アビエータージャケットなどのアイテムで “RE-LOVING“(これまで愛用してきたものの、不要になってしまったものに新たな命を与えるというコーチのクラフトマンシップ)がしっかりと体現されていた。