本日はW/STUDIO(ダブル スタジオ)というブランドについてレビューさせていただく。
W/STUDIOは、イタリア発の“カルチャー・クロスオーバー系ストリートブランド”。
音楽、アート、ゲーム…あらゆるジャンルと自由につながりながら、ファッションの枠を飛び越えるコレクションを展開している。
これまでにもドラゴンボール、ロックバンド、グラフィティアーティストなどとのコラボで注目を集めてきたが、そのどれもが“ただのコラボT”で終わらないのがこのブランドの面白さ。
そんなW/STUDIOが今回タッグを組んだのは、言わずと知れたゲーム界のアイコン「PAC-MAN」。
1980年に誕生し、今や世界的なポップカルチャーの象徴とも言えるこのキャラクターを、“今の時代”でどうアレンジするのか。
そこにW/STUDIOの本領が見える。このTシャツは、懐かしさと今っぽさのちょうど真ん中を狙っている。
ノリだけで作られたコラボTとは違って、しっかりと“スタイル”として成立してるのがポイントだ。

まず目に入るのは、フロントにぽつんと配置されたPAC-MAN。
黄色いドットキャラが左胸にワンポイントで刺繍されていて、シンプルだけどしっかり目を引くデザイン。
キャラTと聞くと派手なグラフィックを想像しがちだけど、このTシャツは“あえてのミニマル”。
PAC-MANのレトロ感をそのまま活かしつつ、ストリートやモードにも馴染む、落ち着いた仕上がりになっている。

そして、背面は一気に雰囲気が変わる。
ゲーム画面をそのまま落とし込んだグラフィックは、思いっきり「らしさ」を押し出したデザイン。
前面のシンプルさとは対照的に、PAC-MANの世界観を大胆に表現していて、Tシャツ1枚でしっかりストーリーを持たせる作りになっている。
カラー展開も無駄がなく、派手すぎず、それでいて個性を失わない。
このブラックベースのデザインなら、普段のコーデにもすんなり馴染むし、ストリート好きはもちろん、モード系の人でも違和感なく取り入れられそう。
前後で異なる表情を持つデザインだから、ジャケットのインナーにしても、さらっと1枚で着ても面白い。
“キャラもの”の枠に収まらない、ファッションアイテムとしての完成度の高さが感じられる。

シルエットは今のムードに合わせたビッグサイズ。
身幅もたっぷりあってリラックス感はあるけど、着丈はややコンパクトめ。
個人的にはワイドパンツやカーゴと合わせて、シルエットで遊ぶのがおすすめ。
キャラものにありがちな“やりすぎ感”もないし、かといって存在感が薄いわけでもない。
キャッチーだけど落ち着いてて、大人がちゃんと着られるキャラTに仕上がってる。
PAC-MANを知ってる世代には懐かしく、知らない世代には新鮮。
そんな世代をまたぐアイコンを、うまく“今”の空気に落とし込んだ一枚。
これは、ただのコラボTじゃない。
遊び心とちょっとした余裕がある人にこそ、似合うTシャツだと思う。